AIに記事を書かせるなら、これだけは守る「薄くしない」ための工夫
AIに記事を書かせると、最初に直面するのが「それっぽいけど、薄い」問題です。読めるし破綻もしていない。でも中身がなく、どこかで読んだような話の寄せ集めに見える。実際にAIを使って記事を作りながら、薄くしないために決めたルールを共有します。きれいごとではなく、運用して効いたものだけ。
なぜAIの文章は「薄く」見えるのか
理由はだいたい3つに集約されました。
- 一般論しか言っていない(具体例・数字・固有名詞がない)
- どの記事も同じ型(「〜とは → メリット → まとめ」の繰り返し)
- 当たり障りがない(立場を取らず、両論を並べて終わる)
逆に言えば、ここを潰せば「AIっぽさ」はかなり消えます。
守っているルール
1. 一次情報を必ず1つ入れる
実際にやった数字、使ったツール名、つまずいた具体的な場面。自分にしか書けない要素を最低1つ入れる。これがあるだけで、文章は一気に「経験者の話」に変わります。例えば費用なら「年1,800円」と書く。曖昧な「安い」では伝わらない。
2. 定型の締め文句を消す
「いかがでしたか」「ぜひ試してみてください」「現代社会において重要です」。この手の中身ゼロの常套句は、見つけ次第すべて削る。これだけで文章の"AI臭"が目に見えて減ります。
3. 構造を毎回変える
全部を同じ型で書かない。ある記事は問題解決の手順で、別の記事は意見の主張で、また別の記事は失敗談で。型が揃っていること自体が、量産の足跡になります。
4. 立場を取る
「Aもいい、Bもいい」で逃げない。実際に使った経験から「自分はこう思う」「これは向かない」と言い切る。間違っていてもいい。意見のない文章は、誰の記憶にも残りません。
5. 公開前にもう一度通す
書いた直後ではなく、一拍置いて読み返す。薄い段落、重複、誇張がないかを潰す。この最終チェックを通っていないものは公開しない、というルールにしています。
ルールを決めても、守れていなかった話
ここまで偉そうに書いてきましたが、白状します。私自身がこのルールを守れていませんでした。
自分のサイトの記事を、あとから第三者の視点で点検してみたところ、こんな状態でした。
- どの記事も目標の半分の長さしかない。自分で「2,000字」と基準を決めていたのに、実際は平均1,100字ほど。見出しの数は足りているのに、中身が浅い。
- 「正直」「地味」「薄い」という単語を使いすぎ。AIっぽさを避けようとした結果、その避け方自体がテンプレになっていた。
- 具体的な数字が、ほぼ一つしかない。「一次情報を入れろ」と書いておきながら、同じ「年1,800円」を複数の記事で使い回していた。
- 同じ話を2つの記事で書いていた。似た内容の記事が並び、どちらを読めばいいのか分からない状態になっていた。
いちばん恥ずかしいのは、「一次情報を入れろ」と説いている記事自体に、一次情報がほとんど無かったことです。
なぜこうなったか
理由ははっきりしています。書き終えた時点で満足して、読み返していなかったからです。
公開前に見直す関門は作ってありました。でもその見直しが「文章として破綻していないか」のチェックに留まっていた。「これは自分にしか書けない内容か」という問いを通していなかったわけです。
チェックリストは、通す気がなければただの飾りになる。仕組みを作った安心感が、逆に確認を甘くしていました。
対策として足したこと
- 文字数を機械的に測る。感覚では「まあ書いたな」と思っても、数えると半分だったりします。
- 同じ語を何回使ったか数える。頻出語が偏っていたら、それは自分のクセ=新しいテンプレです。
- 記事同士の重複を見る。似たテーマが2本あるなら、統合するか役割を分ける。
どれも数値で分かることなので、感覚に頼らずに済みます。
一番大事なこと
突き詰めると、「AIに書かせる」のではなく「AIに下書きさせて、人が仕上げる」という分担です。AIは速い。でも、何を伝えたいか、どこに自分の経験を足すかを決めるのは人の仕事。ここを手放すと、途端に薄くなる。
道具としてのAIの実力は Claude Codeの正体 にも書きましたが、結局は使い手の基準次第だと感じています。
「薄い」と「短い」は別物
最後にひとつ補足を。長さと中身は比例しません。
字数を増やそうとして前置きや言い換えを足すと、長いのに薄いという最悪の状態になります。私が一度やりかけたのがこれでした。文字数という数値目標を置いた途端、水増しの誘惑が生まれる。
判断の基準はシンプルで、「この段落を消したら、読者は何か失うか」です。失わないなら、それは無くていい段落です。
逆に、短くても具体的な数字と体験が入っていれば、読む価値は成立します。長さは結果であって目的ではない——という当たり前を、自分に言い聞かせています。
まとめ
- AIの文章が薄いのは「一般論・同じ型・無難」の3つが原因
- 一次情報を入れ、定型句を消し、構造を変え、立場を取る
- 仕上げと最終チェックは人が握る——ここだけは手放さない